賢い子に育てる幼稚園に通った子供たち 10年後20年後は?

子育て環境

「親は賢い子に育てたい!」と教育熱心な幼稚園に入れることがある。
 

それは親御さん それぞれの判断で、決して正誤がある訳でも無いと思う。
 

ただ10年後、20年後に、幼いころにそういう教育を受けたお子さんが、普通の幼稚園に通ったお子さんと、どんな違いが出るのか?というお話。
 

賢い子に育てる!教育熱心な幼稚園に通った子 小学校時代

私の家の近くにも、勉強など教育に力を入れている幼稚園が三つある。
 

一つはお金持ちが集う、有名幼稚園。
一つは勉強もスポーツも力を入れている、市で有名な幼稚園。
もう一つは、勉強とスポーツと音楽に力を入れている幼稚園。
 

ちなみに我が子達が通った園は、それらの園とは程遠い、何にも教えない「遊んでばかりいる幼稚園」我が家がその幼稚園を選んだ理由は「園庭が広いから」だった。
 

いや、ちょっと我が家の事は置いておいて・・。
 

小学校に入った時、担任の先生が言った。
 

「出身幼稚園に寄って、出来る事と出来ない事の差がある」「だから入学直後の1年生は指導がしずらい」と。
 

そりゃそうだよね。うちみたいに何にも知らずに遊んでばかり居た子と、幼稚園の3年間、それなりに教育を受けた子とでは、大きな差があったに違いない。
 

けれど先生は言った。
 

「とは言ってもね。それも最初のうちだけですよ」「あっという間に一律になるもんです」
 

そうだよね。だって、同じ教育を、その後受け続ける訳だから、今度は差が付くはずがない。幼稚園時代にちょっと早めに覚えたからと言って、小学校でずっと優位に付ける訳では無い。
 

そして先生が続けた。
 

「それにね。なまじ入学前に色々教えられてしまうと、本当に覚えて欲しい事が出来なかったりするんです。例えば、絵の具をもって色々な色を混ぜて、自分自身で、黄色と青を混ぜると緑になるんだ!なんていう発見が大事なのに、幼稚園で勉強をたくさんしてきたお子さんは、黄色と青を混ぜると緑になるって、最初から知っているんです。だからチャレンジをしようとしないし、楽しむことが出来ないんです。」
 

ここでは絵の具の例を出したけれど、それ以外にも先生は、同じ様な例を出して言って居た。
 

知能教育に適した時期

「三つ子の魂 百まで」って諺があるように、子供時代に覚えたことは、ずっとその後の人生に大きな影響を与える事は確かにある。
 

「この時期に経験すると、吸収しやすい時期」というのは確かにある。
 

例えば音楽ならば、絶対音感を付けるのには5歳まで
 

運動ならば、運動神経を鍛えるのは10歳位まで などなど。
 

だから確かに、幼児期に経験しておいた方が良い分野も、ある事に間違いはない。
 

幼稚園の指導は短期的視点とも言える

ただ、当然ながら、教えられることばかりでは無くて、自分でワクワクしながら興味を持ったことに夢中になる事も、幼いころには絶対に必要なことだと思う。
 

その辺の匙加減を幼稚園がしてくれればいいんだけどね。
 

でないと、幼稚園は、子供を賢い子・出来る子にしようと、幼稚園の教育自体が、無理を強いてしまう事があるから。
 

親は我が子が、色々な事を上手にこなしているのを見て喜ぶ生き物でしょ。だから幼稚園は長期的な視点よりも、今現在、親御さんに喜んでもらう短期的な視点での指導を迫られる時がある。
 

親にとっては、この子の人生が良くなれば・・と思ったとしても、幼稚園としては、在園中の2~3年に成果を親に見せたいものだから、当然、結果を求める期間はぐんと短くなる。
 

もっと短く考えれば、来月のお遊戯会に、素晴らしい演技が出来れば!3学期の●●会を大成功させたい!というような。
 

親が見ている幼稚園の雰囲気とは、違った教育現場になってしまうことは、よくある。
 

優秀な園ほど、この教育は凄いと良く聞いたけど、中には、軍隊みたいな教育になってしまう事もあるよう。
 

伸び伸び教育とスパルタ教育、どっちを望むかは親御さんそれぞれだけれど、思って居る園の雰囲気、望む雰囲気と異なる現場になってしまうのは、ちょっと困る事でもあるよね。
 

子供の自由な時間の大切さ

とにもかくにも、幼いころから結果重視での教育がずっと続くと、子供は自由な時間も心も奪われてしまう。
 

園側としては確かに、やむを得ない。あそこの園に行っても、何にも出来ないの~なんて言われても困るだろうし。
 

結局、親の期待が大きければ大きいほど、園に望むものは大きくて、結果、園での子供の教育時間は増えることになる訳で。
 

そういう教育を受け続けると、子供は「楽しむ経過」を忘れてしまう。親や周りが喜んでもらう「今現在の結果」を出そうとするようになる。
 

叶える望みは自分の望みでは無くて、親の望みになってしまう。それはおかしい。子供の人生の筈なのに。だから、自己肯定感も低くなってしまう。
 

教育中心の幼稚園に行った子の10年後20年後は

本当は、どんな親も望むのは、ただただ子供の幸せだよね。
 

だから親は良い幼稚園に入れたいと思うものだけれど、実際の所は、教育熱心な幼稚園に入るとか、入らないとかは、人生においてそんなに関係ないと思う。
 

(※有名私立大学付属の幼稚園などは、エスカレーター式にその大学に入れるから、それは別として。)
 

その時その時、親と子が、その幼稚園の時間を楽しめることが、何より良い結果を生むんじゃないかと。
 

メダカを育てる観察日記を付けなければいけないからと、一生懸命、親がその準備をして、子供に無理矢理日記を付けさせたところで、生き物に対する愛情なんて育ちやしない。
 

親がメダカを可愛がっていなきゃ、一番大切な部分が欠けてしまう。
 

そういう教育熱心なお宅のお子さんが、我が家のメダカの水槽に手を入れて追いかけまわし、爪でメダカをひっかいてしまい、我が家のメダカが血だらけになったのは、辛い想い出。我が子がショックを受けていた顔も忘れられない。
 

教育の意味が違うと思った。
 

実際、教育熱心な幼稚園に行ったお子さんが、その後、どんな人生を送ったかというと、周りを見回せば、普通の幼稚園に行ったお子さんたちと変わりは無かった。
 

幼稚園どころか、中学受験をしたお子さん達だって、結果としてそのまた6年後の大学受験では公立中学に行ったお子さんよりも学力が低くなって居る事も多かった。
 

もちろん、幼稚園にしても小学校にしても、中学校受験にしても、早慶や開成やラサールなどのレベルを狙うのならば、その後の人生は保障されるレベルだと思う。
 

でもそれ以外の学校だったら・・
 

何も親は焦る必要はなさそうだと、子供を20年以上育ててきて思う。
 

良い幼稚園に通って居たお子さん達が、その後の小学校で成績が良い訳でも、スポーツが出来る訳でも、楽器が上手なわけでもないし、お受験して良い学校に行ったわけでも無い。
 

何でも継続し続けないと結果はついてこないわけで。結局、行動をするのは親では無く、子供自身。
 

子供が「継続する力」「好きなものに夢中になる力」を幼稚園時代は育むものじゃないかと思う。
 

夢中になる力を育てる為に

その後も子供が結果を出し続けたいのなら、何でも続ければ、エリートコースまっしぐらかもしれない。
 

でも子供の興味対象って、実際にはそんなに長続きしないよ。だから子供の頃に親がどんなに頑張って教育したって、途中で辞めてしまう子供が大半だよ。
 

オリンピック選手などが3歳から始めました!なんて言うのを聞くと、うちもうちも!って思ってしまうのが親だけれど、それは稀な方であって。素晴らしい血筋を持って居るのならば、叶えられる夢なのかもしれないけれど。
 

子供の興味対象は、その時々で変化していくから、それを毎回毎回 「期待しないで応援する」のが親の役目であって、成長を邪魔しないんじゃないかと思う。
 

親があれやれ、これやれ!これがいいよ!あれがいいよ!成果は出たかな?何で成果が出ないの?って思う事は、「やる気」の芽を積んでしまう可能性があると思う。
 

実はね、我が家も子供は硬式テニスを3歳から13年間やったよ。多分スクール代は100万円を超えると思うけれど、いま、テニスをしているかというと、さっぱり・・(・_・;)
 

でもあの「好きなものに夢中になって、やりたいことをやりたいだけやってみた経験の時間」という年月は、とっても大切なものだった筈。お金には代えられない。
 

人生は、勉強も何も、全て経験の積み重ね。
 

だから最初の幼稚園時代に、すごい教育を受けたとしても、その後の1年1年の過ごし方で、他の子を抜きつ抜かれつつしたりの日々を過ごすのは当然なこと。親の一喜一憂は必要ないんじゃないかと思う。
 

勉強はいつからだって、興味を持てば始められるし伸びる。
 

幼稚園を良い所に行かせるかどうかというより、子供には、人生でずっと色々なものに興味を持たせて、実際に経験させ、楽しむ経験をさせることが絶対に大事なんだと思う。
 

無理に教育して、興味関心事や自分で見つける楽しみを奪うよりも、子供時代に、好きな事を好きなだけやらせる。=「没頭させる」という経験が一番大事なんじゃないかと思う。
 

「夢中になり、深く掘り下げることを覚えた子供は、その後もどんどんと自分から物事を吸収し伸びる」と、教育の専門家も言って居た。そう言えば、ビジネスの世界のほりえもんも同じ事を言って居た。
 

子供の学びたい!というパワーは育ててあげたいし、大人が奪っちゃいけないと思う。
 

ただ・・・ただね。
 

最初の頃に書いたけど、音楽と運動だけはゴールデンエイジがあるから、その時期だけは抑えておきたいね。

 

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