巷では「運動神経が良いと頭も良くなる」という話を良く聞く。となると、幼いころから運動系の習い事をさせれば頭が良くなるのかな?という思いは誰もが当然持つと思う。
親の経済格差と運動能力の差、そして運動能力と学力の関連性について、20数年育児をしてきた母親の経験から コーチングの資格を持つ私が心理学的に【親がすべき5か条】をまとめてみた。
富裕層の子は運動能力が高い?
世の中には色々な研究をされている方が居て、色んなデータが溢れている。そんな中、こんな記事を見つけた!
なぜ、富裕層の子は下町の子より運動能力が高いのか?
プレジデントオンラインより
読んでみると、どうやら家庭の経済格差により、「スポーツを習う事ができる富裕層のお子さん達は」運動能力が高くなるんじゃないかと、そんな事が書いてあった。
う~ん。。そうですかねぇ。。これは、下町育ちの私にとっては見逃せません(;^ω^)
運動を習わせれば運動能力が伸びるのか?
母親目線で周りを見回すと、誰でもスポーツクラブに入れば、必ずスポーツが好きになる訳でも、得意になる訳でも無さそうだ。
反対に、余計苦手意識を持つようになることもあるよ。それはその子それぞれの個性だと思う。
ただ、10歳までに色々な運動をしておくと、運動神経は良くなる、という事は言われているから、習わせることは悪い事では無いと思う。
習って居た、という事が自信に繋がることもあるし。
でもね、運動神経が良くなるためには一つの運動では無く、まんべんなく様々な運動を経験する必要があるんだよね。
まんべんなく体を鍛えるなんて、ボディビルでもやらない限り難しいよ。
だから、何か一つの運動の習い事をするより、野原駆けまわっている方が、バランスよく体を動かせる可能性もある。
それに幼いころに、あまり筋肉を付ける運動をさせてしまうと、身長が伸びなくなってしまうというのもある。
そんな風に、あちこちを考えると、こと運動に関しては、お金が結果と結びつく問題でもないような気がする。
確かに学力の場合は、本が身近に沢山あるとか、教材がそろって居るとか、質問出来る人が傍にいるとか、環境が整えば、環境のない子よりも伸びやすいと思う。
でも、スポーツに関しては、お金をかけなくても伸びやすい分野かなと思う。
下町育ちは富裕層よりお金をかけられないから、運動能力が劣るのでは?という話に反応し過ぎかな・・?私 (笑)
子供時代の習い事の本来の意味
先の記事の中にも
ここでお見せしたのは、地域単位、それも東京都内23区という局地のデータです。それがどれほど一般性(普遍性)を持つかと問われたら、心もとないものがあります。
と書いてある。
結局、幼い子の習い事に成果を求めるのは酷。習い事の意味は、子供が何が好きか、何が得意そうかを見極めたり、数多くの事を体験してみるチャレンジ精神を持たせたりすること。
数多くの選択肢を与え、数多くの世界を見せてあげる事かと思う。
運動能力の高い子、運動神経の高い子
下の子の高校は、東大や京大、東北大に沢山進学する学校だったけど、運動に関しては、完璧に緑豊かな方面のお子さん達の方がめちゃくちゃ運動神経が良かった。
都会に住む富裕層のお子さんが、スポーツを習ったからといって、幼いころから自然の中で遊んでいたお子さん達の運動能力には敵わなかった。
例えば、マラソンなんかだと、都会方面のお子さん達の中学でマラソン大会1~2位のお子さんのタイムが地方方面のお子さん達の「標準タイム」。
恐ろしいタイム差だ。
我が子の市内でも富裕層地域の小中学校の方が、運動に関しては負けていたよ。
とはいえ、確かにスイミングに関しては、習わせたお子さんと習った経験のないお子さんとでは
差が付く。
そういう分野に関しては、習い事は意味を成す。環境を整えてあげないと、1年に数回のプールの授業の子と1年中スイミングを習って居る子では歴然の差だった。
逆に言えば、特定のスポーツに関しては、習った分だけ、習って居ない子に差を付けることは出来る。
スケートリンクに毎日行ける子と、スケート靴履いた事が無い子とでは差が付くのと同じ。だけど、普通の体育の授業だったら、それと親の経済格差は関係なさそうだった。
先の記事の通り、運動能力が親の経済格差で差が出るのならば、下町の子は、富裕層のお子さんに金銭的に負け、運動能力で負け、自然の中で暮らすお子さんにも運動能力で負け・・いい事無しだよねぇ(;^ω^)
運動能力(運動神経)と学力の関連性
文科省の「全国体力調査」では、体力調査で良い結果を残した県が、学力調査でも好成績を残して居るという。
そんな結果からも、学力と運動能力は比例関係にあるのではないかと言われているようだし、実際にそんな話を良く聞く。
でも勉強は、からきしダメでもスポーツ大得意!って場合だって世の中沢山あるでしょ。
有名なスポーツ選手だって、テレビでお勉強が苦手っていう事沢山あるでしょ。私の周りでも、スポーツが出来る子が必ず運動が出来るとも感じなかった。
地域で有名なスポーツマンも、勉強苦手だったし。市で優勝するようなランナーも勉強はさっぱりだった。
勉強もスポーツも出来る子は勿論いて、そういう子は、もの凄く目立つけど、
スポーツだけ出来る子もいるし、勉強だけ出来る子もいる。皆、違うからこそ、個性なんだよ。
ただ、スポーツやって、血流も良くなって、精神的にストレスも発散できると、勉強しやすい心身の状態にはなると思う。実際、高校の先生も、それはある、と言って居た。だからスポーツをする事は勧めると、言って居た。
運動の苦手な子でも学力は上がる
だから、スポーツが得意ならば、じゃんじゃんやればいいし。もしもスポーツが苦手ならば、逆に、何かストレスの発散出来るような他の物を見つけて、血流が良くなるようにしたりして、スポーツをする子と同じ様な心身の環境を作ってあげればいいんじゃないだろうか。
実際うちの上の子は、スポーツは苦手だ。でも性格がのんびりしているので、ストレスは溜めない方だから、何をやっても没頭する。
もしも運動の出来る子が学業も出来るという統計になるならば、どんなスポーツ大会をやったって、東大生には勝てない事になるわけで。
それはないでしょ。東大生だって人の子だ。
結果、運動神経や運動能力の高い子だけが、学力的に有利になっていく訳でも無い。
ましてや金銭的に裕福なお宅の子が、運動神経が良くなるなんて事もない。
そう思う。
運動能力に親の経済格差は関係ない
結局、子供の「やる気」を奪わない子育てをする事に尽きるんじゃないか。スポーツクラブに行って、あれやって、これやって学習塾に行って、あれべんきょうして、これ勉強して!
って日々子供に指導し続けたら、子供は、自分で好きなものを選んで、好きなものに挑戦する力を奪われてしまう。
何が好きか嫌いか、何を選ぶと心地よいのか、何をしていると夢中になれるのか?
それに子供自身が気付ける事が第一なんじゃないかな。ストレスなく、夢中になれる力を奪わず育てることが大切なのかな・・と。
親は色々な選択肢を与え続けることが必要なんじゃないかな。
富裕層の子供だから勉強も出来てスポーツも出来るとか、そういう結論は出ないんじゃないかと思う。
毎月10万円超えのお稽古ごとをしていた近所の子は、我が家に来て、いつも「行きたくないよ。お母さんが行けって言うんだもん」と愚痴をこぼしてた。
ものすごくお金持ちのおうちのお子さんだって、「うちの子、塾に行っても勉強苦手だったし、スポーツも苦手なのよ~」と言って居た。
でも、「だから塾は辞めちゃった(;^ω^)」って笑うママさんのそのお子さんは、のびのび良い子に育った。
そして、塾にほとんど行かなかった家の子が東北大に行った。現役で東大に受かった子は塾に行ってなかった。小さな地元の塾に通ってた子が早稲田現役で受かった。国立医大に受かった子も、ほぼ学校の勉強だけだった。
彼らみんな、確かにすごくスポーツは得意だけれど、特に習いに行ってない。
ただ、何となく共通点はある。
運動能力(運動神経)と学力の関係を心理学で考えてみた
共通点を考えてみた。
結局、何でもやってみよう!とか、やってみれば出来るようになる!って信じられる子が、勉強もスポーツも出来るようになるんじゃないかと・・。
もしそうだとしたら、先の記事の富裕層のお子さん達が、何で都会に住みながらも、運動能力が高かったかというと、親が成功している姿を見て、自分も何でも出来る筈!って、信じることが出来たんじゃないかと・・。
人は人を見た時に、それが自分の脳に写る。上手に出来る人を見ると、できる自分が脳に映し出されて、同じ様に出来るようになる。
出来ない人を見ると、出来ない自分も想像されてしまい、結局出来なくなってしまう。
そういうミラーニューロンという「見て真似る働き」がある。
結果、ある特定の地域で学力や運動能力が高いという結果が出るのは、親や友達を見て真似るミラーニューロンの働きの為なんじゃないだろか。
だから、親がすべきことは、
1. 色々な経験をさせること。色々な選択肢を見せてあげること。
2. それが出来る子達・挑戦している子達の中に入れてあげる事。
3. 子供の選択を応援する事。
4. 金銭的な事ならば、「お金が無いから出来ないよ」なんて事は、決して言わない事。チャレンジさせる事。
5.自分にもそれが「出来る」って信じさせること
なんじゃないかなと思う。
追記:同じ様な意見をお持ちの塾長さんの記事を見つけて、この話について、もう1記事書いた。→学力格差・教育格差の原因と対策!お金じゃない!誰でも出来る簡単な事
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